現在、65歳時点で2000万円または3500万円の資金が必要という言葉ばかりがニュース記事としてピックアップされています。
年金だけでは、確かに2000万円から3500万円ほど足りないと報告があるところ、資金運用も考えないといけないなと思われた方も多くいると思います。
しかし、この情報は、本来重要な伝えるべき重要な点が抜け落ちています。
老後のために2000万で考えるべき最重要点
上記状況について、本当に重要なのは、○万円足りないということでなく、年金がもらえる制度がとても重要だということです。
年金以外に2000万円足りないという計算には、年金を納めていないと言うことは考えられていないのです。
つまり、一言で言うと年金未受給者は、上記にあげた何倍も貯蓄及び資産が必要となります。
何でそのような大事なことを言わないのか不思議です。
年金がもらえない将来を想像
年金を納めていないために、年金の受給ができないことがあります。
その場合、貯蓄やその方の持っている資産のみで生活を行うこととなります。
貯蓄や資産のみでの生活においては、自分が年老いて、働けない状況下において、通帳から資金が減り続ける恐怖と戦わなくてはなりません。
当然、不動産資産で家賃収入があれば別ですが、その場合であっても修繕費を考えなくてはなりません。
一方、年金は、死ぬまで定期的に受け取れる、これ以上ない素晴らしい制度です。
国民年金を考察
支払う金額:
現在、国民年金の支払うべき金額は、月額16,410円です。
つまり、今20歳と仮定し、40年納めると、次の金額を納めることとなります。
16,410円×12か月×40年=7,876,800円
受給額:
年金は、終身保険(死ぬまで受け取れます。という保険)ですので、平均余命を考える必要があります。
平均余命とは、例えば、65歳まで生きた方が、あと何年生きるかというものです。
0歳時点でいくつまで生きるかという平均寿命とは異なる使い方をします。
平成29年度の厚生労働省の発表では、65歳時点では、以下の平均余命となっています。
男性:19.57年 女性:24.43年
つまり、65歳を迎えた男性は、そこから約20年、女性は、25年生存するのが通常であることから、その年数分だけ受給することができます。
なお、現在の国民年金の満額(すべて納めた方がもらえる年金額)は、月額65,008円です。
男性:65,008円×12か月×20年=15,601,920円
女性:65,008円×12か月×25年=19,502,400円
支払額と受給額の利率
15,601,920円(受給額)/7,876,800円(納めた額)=1.98
つまり、受け取る金額が低い男性であったとしても、100%近い利率を残しているのです。
女性であれば、2.47となり、147%の利率です。
圧倒的な利率です。
金融機関及び保険会社の利率について
一番良い定期預金で年間0.15%
それがずっと続くと仮定(ありえませんが)しても0.15×40=6%
40年間6%です。
終身保険として、保険会社を確認すると、110%が高いところです。
利率でいうと、10%です。(返戻率に関しては、納める期間や受給期間によって、変動します。)中には、30%というものもあるかもしれません。
しかし、上記状況と比較しても、利率100%の国民年金は、桁違いに素晴らしすぎます。
さらに、障害年金、死亡一時金といった制度まであります。
なぜ、民間でできないのに国ではできるのか。
理由は、税金です。
国民年金受給金額は、1/2が保険料で賄われ、残りの1/2が税金から拠出されているため、上記の民間企業では出せないパフォーマンスを出しています。
保険料納付問題について
この問題も良く取り上げられるのを目にします。
国民年金だけの方を絞り、未納率を確認すると、厚生労働省HPにおいては、66.3%ですが、厚生年金などを合わせた公的年金加入者全体の約98%の方が納付しています。
よく目にする雑誌や記事に、未納率が非常に多いと言うことも記載がされていることがありますが、公的年金加入者全体の割合で記入されておらず、間違いが起きやすい記載となっています。
もし、このHPをご覧になった方が未納であったら。
すぐに年金事務所に行き、これから納めれば受給権があるのかを確認すべきです。
上記で記載したとおり、年利100%というとても良い制度であるとともに、老後の心配を少しでも減らしてくれる素晴らしい制度を利用しない手はないからです。
まとめ
日本の年金制度は、素晴らしい制度です。
利率だけでなく安心して暮らせる国作りを日本がしてきた証拠だと思います。
このような素晴らしい制度を利用していない方は、受給権をとることが可能なのか確認を行い、制度に参加すべきと思います。
年金受給額の問題を言うのであれば、それをあげるのに、どの程度の負担や痛み(消費増税等)が必要となるのかの試算も行い出すべきと思います。
(私では、到底わかりませんが、通常生活するすべての資金を年金で賄うとすると、今回の消費税10%レベルでは、補填できないと思います。その点についても、年金のみで生活できる金額を出した方が良いというのであれば、その点についても協議が必要だと考えます。)
また、国の制度として年金や社会保障がある以上、どのような国家とすべきか、この国すべての子供たちにどんな良い国を残してあげられるのかを意識を持って考えていってほしいものです。
コメント